2019.07.22夏休み、孫泰蔵氏の講演

終業式を終え夏休みに入った。相変わらずの梅雨空。さて、前回お知らせしたように、20日の終業式終了後、孫泰蔵氏をお迎えした。

孫さんは、連続起業家(シリアル・アントレプレナー)として世界中を飛びまわっておられる。そんな大忙しのスケジュールの合間を縫って、本校にお越しいただいた。これは大げさではなく「めったにない」機会であり、大変ありがたく感じた。孫さんには深く感謝申し上げたく思う。

当日は、生徒への講演が11時半から12時半、教員研修が13時から15時の予定とした。生徒講演では、まず孫さんの自己紹介から。大学時代にバンドをやられていたことや、Yahoo Japan!の立ち上げに参画した時のエピソードなど。続いて、これからの時代の変化というテーマで、百年に一度くらい世の中がガラッと変わる時があるが、いまがまさにその時だというお話。自動車の自動運転を例にあげ「ここから5年、世の中が大きく変わる(スーパーチャンスがある)」とのお言葉には説得力があった。

次に、「世界を変える若者たち」の映像を使った紹介。例えば、アフリカのある国で、道路などのインフラが未整備なため、必要な医薬品をドローンで届けるというプロジェクトが示された。そのドローンは風の向きや強さを自分で感知しグライダーとなって飛ぶことができる。その国全体をたった2カ所の基地でカバーできるのだそうだ。若い人たちが考えたプロジェクトである。

 

また、海洋ゴミの清掃プロジェクトに取り組むグループがある。いわば海のルンバをつくり、海洋ゴミを回収するという試みで、そのプロジェクトに対してびっくりするくらいの資金が集まったというから驚きだ。この他にも、さまざまな分野のさまざまなプロジェクトが紹介された。孫さんのお仕事は、そうしたスタートアップ(起業)への投資や支援である。

生徒からの質問もあり、結局ほとんど休憩もないまま教員研修に入った。教員に対しては、生徒講演の内容に加え、「創造の自由度(Creative Freedom)」という観点から、従来の学校(システム)は創造性を高めるのに最高の場所か?どうやったら子どもたちの創造性や主体性を高められるか?といった、いわゆるBig Questionが問い掛けられた。また、"Vivita"という、子どもたちがあり合わせの道具や材料を使って、自由に作りたいものを作れる場所の紹介などもあり、孫さんが活動される範囲というか領域の広さに改めて驚きを感じた。

 

全体を通して伝わってくる孫さんの体験に基づく言葉、たとえば「成功より失敗の方が学ぶものが多い」、21世紀では「未来を切り拓く力」が求められる、「他人に習うな」、学校は「より社会との接点をたくさんもつことがキーになる」といった言葉がずしりと心に残りました。生徒も教員もたくさんの刺激を頂戴しました。百年生きる時代になってきて、学ぶ・働く・遊ぶという人生のサイクルが、もっと多様で柔軟な形になっていくといい、というメッセージを頂いたように思います。孫さん、長時間、本当にありがとうございました。