本校では高大連携を強化し、大学とつながるシステムを高校の段階から作っています。現在までに10大学と高大連携協定に調印し、将来的に20の大学・学部と結ぶ計画です。
※10大学=麻布大学、城西大学、城西国際大学、産業能率大学,清泉女子大学地球市民学科(2025年度から地球市民学部に改組)、法政大学、筑波大学、成城大学、昭和女子大学、フェリス女学院大学
高校の自由選択制の時間帯を広げた結果、その時間を利用して生徒は大学に出かけ、探究型の授業に参加します。そして大学での履修を、「学校外における学修等の単位」として本校の単位として認めるシステムを構築しました。
極端なことを言えば、高校2年生までに60単位をとってしまえば、卒業に必要な修得単位は残り14単位となります。その14単位を大学で履修するのか、高等学校で学ぶのかを、生徒の主体をもって選択させたいのです。学ぶ場所を大人が与えるのではなく、生徒が選んでいく。世間では「不登校」が問題として盛んに取り上げられていますが、学び方を生徒が選べる教育が生まれれば、解決できる部分もたくさんあると思います。
学校推薦型選抜についても、高大連携を利用できないかということも考えています。高校3年生の前期に、ある大学の探究型講座を20名が希望すれば、高校の授業を公欠にして大学の講座に参加させます。その大学の学校推薦型選抜の枠が5名あるとすれば、その5名の合格は探究型講座の学びを見て大学側に判断を委ねる。そうすれば、課題解決力というスキルで大学と高校がつながるのではないかと思うのです。
現在の日本の教育の課題が、知識系統主義であり、正解主義であり、受動的であり、考察力や創造力の欠如が起こりうるということならば、裏を返せばよいのです。経験主義に置き換え、自分の考えを導き出す力を重んじ、生徒の主体性を信じ、考察力や創造力を育てる教育活動をどう作り上げていくか。私たち大人は今も、社会で転用できるスキルを付けるために、必要なことを自ら選んで学んでいます。生徒たちも、同じように選びとって学べるようになってほしいのです。
生徒には社会をデザインしてほしいと願っています。学校というのは、「学校」という枠組みの中で教育を完結しなくてはならないと考えています。でも、中学生・高校生の段階から社会に触れていなければ、社会をデザインすることはできません。学校を軸にしつつ、生徒たちを早い段階で社会に解き放したい。高大連携はその第一歩です。