教育方針

「考えて行動のできる人」の育成

建学の精神
「考えて行動できる人」の育成

本校は、1940年の開校以来、横浜の地に根ざした学校として、意欲あふれる人材を輩出してきました。
本学の建学の精神は「『考えて行動のできる人』の育成」です。学習はもちろんのこと、学校行事や部活動においても、創英生は「考えて行動する」ことを実践します。この建学の精神の具現化により、深く思考し、判断し、表現する力を育成していきます。

現在、科学技術の進展は私たちの予想を遥かに超えたスピードで進んでいます。それに伴い、世の中では新たな仕事やサービスが次々と生まれ、私たちの生活も大きく変化しています。特に機械の自動化に取って代わられる職業は多岐にわたっており、つい最近生まれたばかりの人気の職業でさえも、新たなサービスの出現によりあっという間に消え去ったりするようなことも起きています。生徒の皆さんが活躍する社会では、一つの仕事に就いて定年退職までというようなことができる人は、ほぼありえないことかもしれません。
このような変化の激しい社会を生きていくためには、今まで以上に「自分で考え、判断し、決定し、行動できる力」(自律の力)を身に付けることが大切です。あえて誤解を恐れずに言えば、日頃から私たちが学校教育の中で大切にしてきた「礼節」や「忍耐」、「協調」といった日本の特性とも言える価値観よりも優先すべきものだということです。
指示されたことを適切にやり遂げることのできる力は確かに大切な力の一つではありますが、指示されることに慣れてしまってはいけません。慣れ過ぎていくと、人は次第に指示をされないと動けない人間に変わってしまいます。そして、指示の内容や与えてもらうサービスに不満ばかり言うようになっていきます。遂には自分が上手くいかないことがあると、その理由を常に人のせいばかりにしてしまうような人間になってしまいます。
本校には時代を見据えた新たなカリキュラムや行事、個性豊かな部活動など、様々な学びの場があります。生徒たちには、身近な学校生活の中に自分なりのチャレンジする機会をしっかりと見出し、挑戦し、たくさんの失敗を繰り返しながら、自分の足で歩むことのできるたくましい人に成長してほしいと思います。

校長 工藤勇一

創英 3つのコンピテンシーと
9つのスキル

3つのコンピテンシー「自律・対話・創造」を会得するために、
本校では、卒業までに生徒に身につけてもらいたい具体的な力として「創英9つのスキル」をあげています。

校長によるコンピテンシーについての特別授業
( 年間6回程度)

校長によるリーダー養成講座
( 年間8回程度)

自律

自ら考え、判断し、決定し、行動する

①目標の実現に向けて、見通しを持って計画的に実行する(PDCA)

  • 課題を発見し、課題を解決するための計画を自ら立案できる力
  • 計画の先にある未来を予測し、より良い選択をする力
  • 計画を実行する際に生じた副作用や反応を点検して修正できる力
  • 計画の実行によって生まれた成果と課題を評価できる力
  • 評価を踏まえ、改善のために計画を修正して新たな実践につなげる力

②目標の実現に向けて、見通しを持って計画的に実行する(メタ認知能力)

  • 自らの弱みや短所を含めて、ありのままの自分を受け入れる力
  • 他者と比較せずにもう一人の自分で自身をみつめ、状況に応じて適切な判断を下すことができる力
  • 自分の思考や行動を俯瞰的に見つめ、より良い方向に変えていくための工夫ができる力
  • 自分の思考や行動に変化を与えて、自らの強みや成長につなげていく力

③自らの感情と言動をコントロールする(セルフコントロール)

  • 他者との対話で対立が生じた際、自らの感情や言動をコントロールする力
  • 困難を打開するために自己を制御し、自らを向上させるためのモチベーションを維持する力
  • 良い行動やポジティブな思考を習慣づけて持続させ、自己を肯定しようとする力

対話

多様性を尊重し、
対話を通して対立・ジレンマを解決する

④考え方の違いを、他者の立場に立って理解、尊重する(エンパシー)

  • 意見や考え方については対立やジレンマがあって、それが当然であることを理解できる力
  • 他者の立場や考え方の違いを理解する力
  • 人権に関わる知識・スキルを持ち、自分と違う立場の人を尊重する力

⑤対話を通して他者との共通の目的を見つけ出す(パブリックリレーションズ)

  • 持続可能な社会を作ることをめざし、他者との考え方や意見の違いを尊重する力
  • 誰も取り残さない共通の目的を発見し、その目的のために双方向の対話ができる力
  • 合意ができたら、その実現のために自分の考えを修正することができる力

⑥共通の目的の実現のために他者と協働する(コラボレーション)

  • 多様な個性に触れることで自分が高まることを知り、新たなチームの再構成を働きかける力
  • それぞれの個性や強みを分担・補完しながら、調整して他者とつながることができる力

創造

問題を解決するために
情報や技術等を活用し、新たな価値を生み出す

⑦課題に対して問いや仮説を立て、科学的に解決する(サイエンスリテラシー)

  • 知識、情報、テクノロジー等を活用して、目的と他者を意識した表現をする
  • 自然や社会の事象や現象について課題を見つけ、それらを解決する方法などについて、仮説を立て、実験・観察、データなどをもとに検証することができる力

⑧本質を見極めるために、自分や他者の考えを吟味する(クリティカルシンキング)

  • 既存の概念や自らの思考・判断の思い込みの傾向を知る力
  • 自分の考えの根拠を明確にし、自分が納得いくまで掘り下げて考えることができる力

⑨信頼できる情報を収集・吟味し、適切に活用する(情報リテラシー)

  • 課題発見・解決に必要な情報を見定め、適切な方法を用いて収集する力
  • 情報の出処や目的を吟味し、得た情報が「事実」であるかどうかを吟味できる力
  • インターネットやメディア等を活用し、情報を適切に発信できる力