校長挨拶

大きな人生の礎を築く

3月まで副校長の任にありました本間朋弘です。
工藤勇一前校長のあとを受けて、2024年4月1日付で横浜創英中学・高等学校の校長に就任することになりました。よろしくお願い申し上げます。

本校が学校改革の最上位目標に掲げていることは以下の点です。
生徒の当事者意識を育てながら学びや学校運営を生徒主体に委譲し、実学的な学びによって社会に貢献できる人材を育てること。

今は答えがなかなか見つからない時代になっています。これまでは先に答えがあることが教育の標準であって、その答えに向かって生徒を導くことが学校の使命でした。でも大人はすでに正解のない人生や社会を生きています。人生や社会は正解がないのに、学校は相変わらず正解を求めることが標準になっている。それはやはりどこかおかしいと思うのです。

これからの学校は社会で活躍する準備の場所に変わっていかなくてはなりません。社会で必要な経験の場を学校がどれだけカリキュラムに落とし込めるか。そして、社会で必要な力を学校がどれだけ育てることができるのか。そのことを意識して教育活動を作っていくことが、これからの学校の大きな役割だと考えています。

学ぶことの最も大切な意義は、人生を積み重ねるなかで自分の社会的価値をどんどん上げて、上げることで社会のために自分の価値を使い切ること、そのことに尽きるのではないかと思うのです。「他者のために尽くす人生こそ、価値ある人生」などとは私には到底言えません。でも迷い、もがきながらも,自分の周囲で起きている社会課題を自分のこととしてとらえ、逃げることなく、仲間と協働して解決していく。その力の土台を育てることがこれからの横浜創英の役割だと考えています。

社会が変わらなければ学校は変わらないと大人は言いますが、学校が変われば社会も変わると信じてもいいのではないか。一人の力で大きな変化を生むことは難しいですが、一人ひとりの変容が少しの熱を込めることはできます。生徒一人ひとりの小さな変容が蓄積されて、大きな変化が生まれることを私は信じています。横浜創英を社会を変える拠点としたい。

人生というのは、自分が描く景色の大きさに比例します。小さな景色しか描けない人は、その景色の範囲内の人生しか歩めない。人生で描く景色はできるだけ大きい方がいい。生徒の皆さんが大きな人生の景色を描く礎を築くこと。そのことが私たち横浜創英の大きな願いです。

校長 本間 朋弘