11月16日に、中学校1年生と2年生の保護者の方々を対象に、2025年度からスタートする新しいカリキュラムの説明会を開きました。私は、この説明会をとても大切に考えていたのです。このカリキュラムが生徒の未来の道標を築くスタートラインになる。でも、それ以上に保護者の方々と本校の未来を共にしたいという願いがありました。
7月に開いた中学校3年生の説明会後、保護者の方から届いたメッセージの一つを紹介したいと思います。
「変えない方が楽で無難っていう志向になりがちな学校環境の中で、前を向いて歩いていこうとされる先生方に心から感謝をしております。先日の保護者会で感じたことは、子どもの未来に向けたプロセスを丁寧にしっかりと説明されていることです。新しい教育をなぜやらなければならないのか、そのためにどんなカリキュラムが必要で、さらに次に向けてどんな準備をしているのか。カリキュラムを変えることの理念と具体をしっかりと伝えていただきました。何年間も、難解なパズルに取り組まれ、その解を示してくださったこと、本当にありがとうございます。わたしたち親子は、今からただひたすら楽しみです」
昨年度の末にたくさんの保護者の方々と対話をくりかえすなかで、一人の母親が言われた言葉を私は今も大事にしています。
「親にとって一番大切なことは、子どもが幸せになる場所を見つけてあげること」
生徒が幸せになる場所を築くために、学校が取りうる選択肢は、どんな時でも次の2つしかありません。
「とりあえず前に一歩踏み出してみるか」
「その場所にとどまり続けるのか」
人生の長さを考えれば、学校で学ぶ期間は2割程度の時間でしかありません。残りは学校の外の社会で過ごすことになる。そう考えれば、学校の最も大切な役割は、生徒たちが社会で生き抜くための力をどう育てるか。とりあえず前に一歩踏み出して、生徒と社会を繋げるために何ができるのか、大人が一緒になって考えることができたらいいなあと思うのです。
説明会では、プレゼンで語る生徒たちをあたたかく包みこむ雰囲気がありました。親にとっても教師にとっても、大切な希望は子どもたちです。今の子どもたちは、確実に私たち大人よりも長く、そして重い課題を背負いながら、これからの未来を生き抜かなくてはなりません。
その長さと重さに生徒たちがつぶされないように。生徒一人ひとりが自分の社会的な価値を見つけ、幸せを感じられるよう、保護者の方々と一緒に生徒を支えていきたいと思います。
11月10日、等々力スタジアムで行われた全国サッカー選手権神奈川予選決勝には、1700名の生徒・保護者が応援にかけつけ、支え合う横浜創英の雰囲気に多くの人たちが感動したことと思います。